旧栄山浦駅・新羅州駅



 旧・栄山浦(ヨンサンポ)駅(全羅南道羅州市)は、湖南線の旧線上にある廃駅です。2001年7月10日、それまで単線だった湖南線の松汀里−一老間の複線新線が完成し、きりかえられるのと同時に旧線上にあった栄山浦駅は廃止となりました。また、羅州市街の近くにあった旧・羅州(ナジュ)駅も廃止となり、これら二つの旧駅が移転・統合という形をとって、新線上の旧栄山浦駅寄りの場所に改めて新・「羅州」駅が誕生しました。
 湖南線の主要駅の一つでありセマウル号(特急列車)の停車駅でもあった旧栄山浦駅の機能は、新・羅州駅に引き継がれました。





栄山浦の交通の中心、栄山浦共用バスターミナル。
バスターミナル


バスターミナルから10分あまり歩いて街の北を流れる栄山江に出ました。駅はこの川の向こう側にあります。


川を渡る橋の上から見えた、山の中腹の新線の軌道とトンネル。旧駅はこのトンネルのほぼ真下にあります。
新線のトンネル


旧栄山浦駅舎正面。ドアの正面に車が止まっていなければ、廃駅とは分からないかもしれない。
駅前広場


駅前広場。写真右側、真っ直ぐ伸びる道の先は栄山江を渡る橋で、栄山浦の中心部と駅とを結んでいる。



駅前に掲げられた、駅名の由来と歴史を説明した案内板。1914年の湖南線開業当時からあった駅で、周辺地域の中で鉄道輸送の中心的役割を果たしてきた、とあります。
栄山浦は昔から水運で栄えた河岸町で、まだ朝鮮半島が日本の植民地になる前、木浦の開港よりも先に日本人が移り住んでいたところだということです。



閉鎖された駅舎の扉に貼ってあった張り紙。新・羅州駅と、隣の新・ノアン駅の移転案内。

同じく駅舎の扉に貼ってあった板。この駅を、羅州市と共同で鉄道博物館にする計画なので立入り禁止、とある。


駅の中には入れなかったが、なぜか窓が一つ開いていたので、中の様子を撮影。中途半端に破かれた掲示の紙が時がとまった空間を象徴しているようだ。
駅を覗き込む



駅から離れて、駅の東側(新・羅州駅方向)にあった踏み切り跡へ。
踏切から旧駅の構内をのぞくと、廃止されて1年が過ぎたばかりなのに雑草だらけになっていた。



まずいかな、と思いつつ・・・線路跡を奥へと入っていってみる。枕木を取り外された状態そのままの道床の砂利は、でこぼこして歩きにくい。

入口のあたりは、近所の人が畑に使っているようだ。砂利の上に実った巨大なカボチャを発見する。
カボチャ
しかしこれ、食えるのかな。


さらに構内に入って、ホームの全景をカメラに収める。
道床はそのまま残っていたが、線路も枕木も、そして信号も無い。その撤去の徹底振りと雑草の繁殖振りに比べ、駅舎が現役でも使えそうなくらい古びていないのが奇妙にアンバランスだった。
実はこの直前、なぜかホームにおばさんらしき人影が見えたので、面倒なことになる前にここで引き返すことにした。駅に掲示してあった警告文の通り、構内の立ち入りは不法侵入になってしまう。この地点でもやばいかもしれないが。
構内

新・羅州駅>


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