現在、公式に ちなみに左の写真の光州駅の前面の様子は、今はもうありません。鉄板の柵に囲まれて大改築工事が進行中です(2003年9月現在)。 |
ちょっと批判というかアレになりますが、なぜ1号線は光州駅も、バスターミナルも、新市庁舎も通り過ぎる路線を設定したのでしょうか?あまりにも今更ではありますが、路線設定に少なからぬ問題があるように思えます。 ここではまず、光州駅を通らないことのデメリットから見ていきたいと思います。まず、1号線の西端に程近い所にある松汀里駅を、新たな『光州駅』とし、現在の松汀里−光州を廃止しようという動きが一部にあるようです。この裏には、松汀里駅を含む光州市光山区選出の議員さんたちの策動があるとか、ないとか・・・ このことと直接の関係はないかと思われますが、光山区に隣接する西区の平地に広がる、尚武(サンム)地区の開発があります。ここは現在、光州市市庁舎やKBS等の移転先になっているのみならず、光州市域内における新たなビジネス・商業・住宅地のセンターとして開発が進んでおり、そのあおりで旧来の光州市街地は空洞化現象を見せ始めているともいわれています。こうした情況で現在の光州駅が廃止されたらどうなるか?名実ともに光州市の中心は尚武地区とその周辺地域に移り、旧市街地は空洞化どころか、下手をすればスラム化しかねません(おおげさかもしれませんが)。さらには光州市全体の重心が現在よりも西に傾き、東のほうの地域の相対的地位の落下――現在すでにその傾向は見え始めています――が加速化しかねません。そうした、市域全体の発展モデルを考慮しても、現在の光州駅は廃止するべきではないのです。 でも、万が一、光州駅が本当に移転してしまったとしたら、どうするべきでしょうか?現在の光州駅は、操車場や整備施設等を含め、市街地にある施設としては相当に広大な敷地を占めています。ここが廃止になるのなら、旧市街地周辺の没落に対抗する手段として、この広大な敷地を大規模な再開発事業の対象にする事は当然の流れでしょう。・・・やはり、光州駅のある場所の重要性、周辺の都市基盤整備の必要性は強く残ります。ですから、現在の光州駅が残ろうと残るまいと、光州駅の近くに1号線の駅を設けるべきだった・・・と私は思います。 次に光州総合バスターミナルも通過していることについてですが、これは全く無意味だと思います。このバスターミナルは90年代にそれまで市街地にあったいくつかのターミナルを総合し、高速バスから市外バスまで全てを扱うターミナルとして建設されたものです。その規模から言っても高速道路のインターや周辺の幹線道路との位置関係から言っても、将来に渡って光州市・全羅南道の交通の中核としての役割を担っていけるターミナル――その地位において光州駅など(“など”なんて言いたくはないですが)とは重要性のレベルが違います――だといえるでしょう。なぜそこを、市内を東西に貫く地下鉄1号線が通らないのか・・・ さらには前述した、尚武地区の南を翳めているだけというのも疑問です。尚武地区はこれから発展していく地区です。そこの中央ではなく南の外れに駅を造るメリットが何処にあるのでしょう?さらには、尚武地区の発展の影で現・全南道庁(これも将来光州市の外へ移って行きます)を中心とする現在の市の中心部の没落の傾向が早くも表れ始めている、とも言われています。しかし尚武地区と旧市中心部とが地下鉄で結ばれれば、相互補完作用が強まり、双方が連携を持つ地区として今後も発展していく可能性が開けたのではないでしょうか。 2号線の建設計画は、これらの欠点を補完しようとするように建てられています。でも、一号線だって、現時点で相当な赤字が見込まれている、というのです。そんな情況で、2号線なんて本当に着工できるのか?それよりも、多少線形が蛇行しようとも、市内の重要な(多くの人が利用する)施設をきちんと巡る路線を1号線として整備しておくのが道理だったのではないか・・・光州旧市街−光州駅−総合バスターミナル−新市庁舎−尚武地区新市街−光州空港−湖南線松汀里駅。これだけのポイントが地下鉄で結ばれることこそ、光州市の発展に繋がる道だったのではないでしょうか? 極言ですが、私にはややもすると、この光州地下鉄1号線は光州市の不均衡発展と全体の没落を見通して、或いはそれを後押しするように建設されたのか?・・・などという現実乖離的な発想まで浮かんできてしまう始末です。 ・・・ともあれ、問題ありと思える区間は2004年4月には開通予定。今さら何を言っても仕方ありません。今後は無理をしてでも2号線の、少なくとも北半分の区間は開通されるよう、部外者ながら切に望む所です。 お目汚し失礼致しました。上へ戻られる方はこちらです。 |