谷城/麗水の列車


■谷城にて


鉄道公園の敷地の端からは、水田の向こうに現在の全羅線が望めます。
1時33分発の下り無窮花号463列車のエンジン音が、遠くの方から響いてきました。駅のほうを眺めつつ到着を待ちます。





無窮花号を迎えた谷城駅。


やがて、列車は谷城駅を出発してこちらへとやってきます・・・あれ?




先頭の機関車が、よく見ると2両連結されていました。





真横から見ると、確かに重連でした。排気を見る限り、前の機関車のエンジンは発動していません。制御は前の車輌の運転台で行ない、動力としては後ろの機関車だけを動かしているようです。

さらに、よく見ると前よりも後ろの機関車のほうが、車長が若干長いように見えます・・・が、気になって「東アジア鉄道イソウロウ事務所」の掲示板で質問したところ、管理人のMINEYUKI様から検証画像とともに、撮影角度の問題で短く見えるが同じ長さ、という解答を頂きました。MINEYUKI様、回答をしてくださりありがとうございました。


列車が過ぎ去った後、私は早々に公園での撮影を切り上げ、その次のセマウル号麗水行きに乗車するため、谷城駅に戻りました。




■麗水駅にて


谷城駅を出発してから約1時間15分後、セマウル号は定刻よりやや遅れて麗水に到着しました。

と、ホームへと滑り込む車窓に、少し意外なものが見えました。列車を降り、連絡階段を素通りして、隣の番線で発車を待つ上り列車の先頭へ向かってみました。





またも重連です。しかも、先頭の車輌と2両目との色が違います。
現在、韓国国鉄の機関車は国鉄のシンボルカラー・ロゴ等のデザインの改新に伴い、車体の塗り替えが進められています。赤・青・白の3色の「新塗色」車が増えつつあるという事は知っていましたが、実物をじかに見るのはこれが初めてです。




正面に回ってみました。一度ネット上でその姿を目にしているとはいえ、こうして目の前で見るとやはりかなりのインパクトがあります。




出発です。
この編成は、谷城で見たのとは逆に新塗色の先頭車両の動力を動かしているようです。
外面だけでなく内部もリニューアルしたということなのか、黒ではなく真っ白な煙を吐きながらゆっくりと駅を離れていきました。




麗水駅駅舎。これまたリニューアル中なのか、駅名表示は取り外されたままになっていました。次に行くときには、青と白を基調とする韓国国鉄新スタイルの駅名表示板が掲げられているかもしれません。




麗水駅から線路を辿ってさらに進むと、麗水(新)港に到着します。



麗水−済州島便の旅客ターミナルと、その脇に停泊するフェリー。
光州−順天−麗水港間の光麗線(当時)を1930年に開通させた南朝鮮鉄道株式会社(社長:根津嘉一郎)は、鉄道建設と併せて、この場所を埋め立てて麗水新港を築造しました。
現在、ここから発着する旅客便は一日一便の済州行きのみです。他は、旧市街地に近い麗水旧港などから発着するようです。




港の入口から、麗水駅方面を眺める。



反対側の、港湾施設のほうへと伸びる線路。




・・・何分にも、出かけた時間が遅かったために、だいぶ駆け足の一日となってしまいました。
鉄道公園はこれから先、工事が完了すれば、地方の新しい鉄道文化の端緒を切り開いてくれるかもしれません。一方で、全羅線は車輌・線路・施設とも、旧来の姿を一新していく過程のさ中にあります。






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