「桜の慶和駅」を5月に訪ねる




韓国慶尚南道、慶全線昌原駅から分岐する短い盲腸線、鎮海(チンヘ)線。
周辺略図:専用線である鎮海−統海間は省略
一時期は旅客列車廃止→専用線化という危機にも見舞われましたが、統一号列車は廃止になったものの現在はセマウル号列車などが、日に数本走っています。
この沿線の鎮海市内、昌原駅から行って鎮海駅のひとつ手前にある慶和(キョンファ)駅は、4月になると本数・枝ぶりともに見事な桜の木々が薄桃色のかたまりとなって、観光客を引き寄せる場所として周辺では有名な名所となっています。
しかし、今回訪ねたのは5月5日、すっかり緑の山と化した慶和駅は、地元以外の人はほとんど通ることもなく静まり返っていました。







慶和駅へは、鎮海駅近くからバスで。実はこの駅に止まる列車は現在ひとつもないのです(*下註)が、バス停の名前には「慶和駅」がしっかりと残っていました。




慶和駅構内。かつては少なくとも3線を抱える交換駅だったものの、現在は中央を単線が通り過ぎるだけの場所です。



駅名標。



ホームに残る、かつての信号設備の跡。おそらくは腕木式信号のてこだったのではないかと思います。列車の交換をしていた頃には、この駅にも駅員が常駐し、信号てこや転轍機を力いっぱい動かす姿が見られたのかもしれません。






ホームの先端部分。縁石の手前がホーム、向こう側がかつて線路の通っていたところですが、どちらも畑になっています。植わっているものが違うのが、名残といえば名残なのでしょうか。


鎮海駅まで乗った列車が、再び昌原方面へと向かいます。



初夏の木漏れ日を受けてまだらに輝くセマウル号の先頭車両。





緑のトンネルを抜けると、さらなる山登りの果てに今度は本物のトンネルをくぐって、山の北側にある昌原の街へと向かいます。





こちらは、春真っ盛りの頃の慶和駅。桜も盛大ですが、駅構内の人の数も半端ではありません。
もちろん、この中を列車が通るのですが…その光景については、こちらをご覧ください。

註:この写真を撮影した2008年当時は無停車だったのですが、2009年春の昌原−鎮海間の臨時列車がこの慶和駅に停車するようになりました。今後通年停車・営業の可能性もあるとのことです。(東アジア鉄道イソウロウ事務所Guestbookの情報より)




さて、鎮海駅へ帰る途中、駅の近くで個人的に好きなものを見かけました。

鎮海駅の端のほうをまたぐ、古レール製の陸橋です。3本並んでいる姿はなかなか豪華です(そうでもないのか?)。クリックすると全体をご覧になれます(大きいです)



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