旧一老駅−旧明山[ミョンサン]駅

 旧一老駅跡から旧明山[ミョンサン]駅までは、のどかな田園地帯を行く行程でした。新線はここからは全く見えません。ここだけを見ると、この区間はそのまま複線化してもよさそうななだらかでカーブも少ない線路跡だったのですが、問題は明山駅の先にありました。そのことについては次の、明山−夢灘間のページで触れています。
 



 旧一老駅跡を出て、一老の市街を抜けると旧線は田園の中を通っていきます。途中から、一老から夢灘を経由して務安まで続く幹線道路と並行して走ることになります。交通量は多く、埃のため道の端を歩くのはかなり難儀でしたが、道幅は広く、道端にはちょうど秋のコスモスがいっぱいに咲いていました。

一老駅東。旧線の左側の赤茶色はレールが集積されているもの 右側の土手が旧線。


 途中でその幹線道路を逸れて、踏切を渡ります。その後の道は交通量も少なく快適な舗装道路。だんだん道幅が狭くなり、車一台が通れるくらいの農道になりました。
踏切から、来た方向を振り返る 緩やかに下った後、その先の丘越えを目指して緩やかに上っていく旧線



切通し入口
丘を越えていく切通しへと入っていく旧線。

旧ミョンサン駅手前
左の土手が旧線跡です。
前方に街路灯の列が見えてきました。どうやら旧駅のホーム跡のようです。



旧・明山駅跡(務安郡夢灘面)

明山[ミョンサン]駅は、廃止統合という形をとった旧栄山浦・羅州両駅を除けば、この区間で唯一、代替駅無しに完全に廃止された駅です。しかしもともと鈍行しか止まらなかったせいか、駅の周りを見渡しても駅前の商店の発達などは全く見られず、昔ながらの田園と農村集落しかありません。駅がなくなっても、それほど大きな変化は起っていないかのように見えました。

土台
橋桁が撤去された後の橋台。

駅跡正面
旧駅前。ここでも建物は残っていない。駅前には駅のあった頃から建物など無かったらしく(ちょっと離れた所にうなぎの店が2,3軒あったが)廃墟のネガティブな雰囲気は全く無かった。
農家の人たちが収穫作業の手を休めて、駅前広場の端に植えられた木々の向こうで談笑しているのが聞こえた。
ミョンサンの集落は駅から北側に5分ほど離れた辺りの、線路の両側に渡って分布していた。というより線路が集落を分断していたというべきか。

一老=下り方面 夢灘=上り方面

左:一老方面を眺める。
右:これから進む夢灘方面を眺める。


次は今回のメインである、明山−夢灘(モンタン)間のトンネルへ向かいます。

>夢灘駅への旧線

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