旧老安駅(羅州市老安面)


旧老安(ノアン)駅は松汀里駅と旧羅州駅とのあいだに位置する駅です。元々鈍行列車しか停まらない駅でしたが、現在は500メートルほど離れた新線上に新しい老安駅が営業しています。光州市と羅州市街地を結ぶバスの路線は、下り(光州>羅州)が駅前を通っているのですが、上りのバスは集落の外側を通るバイパス線を通るため10分以上歩かないといけないという、変な状態にありました。




かつての幹線道路だった(現在は集落の外側を迂回する道路が出来ている)国道13号線の旧道から、旧老安駅前へと入っていきます。


旧駅前のロータリー。かつての駅舎のあった位置には現在、湖南線電化工事の現場事務所が建てられていました。工事の名称は「松汀里−鶴橋間電車線区新設工事」。…なくなった「鶴橋」の名前がまだここには残っていました。


旧駅構内には、工事用の廃材などとともに真新しい架線架設の資材が積まれていました。立ち入り禁止区域でないのが不思議なくらいです。かつての本線ホームの上も、資材と廃材の置き場と化していました。




松汀里のほうに歩いていき、ごちゃごちゃしたところを抜けるとようやく開けた所に出ました。




上の写真の右側に並ぶ鉄道林の切れ目から見えた、新しい老安駅。旧駅からは500メートルほどしか離れておらず、地元住民への打撃はあまりなさそうです。


写真をとっている際に、近くを歩いていた工事関係者の人から何をしているのかと聞かれ(当然訊かれますよね)話しているうちに、それならあれを撮れ、と指差されたのが、樹齢100年という「サクラナム(桜の木;“サクラ”は日本語から)」。本当なら、湖南線(1914年)が出来る前からこの場所にあった木ということになります。「あれも切ってしまうんですか?」と尋ねたところ「知らん。国の土地なんだから(切るなら切るで)どうしようもないわな」と答えられました。




駅の北側、松汀里方面へと続く旧線の軌道跡。



現在の老安駅舎。こげ茶色の屋根に赤茶色の煉瓦の壁と、茶色尽くしですが、正面のデザインには全羅線のオス駅(「その他の写真」参照)のような昔ながらの駅舎の建築様式を、どことなく引き継いでいるようにも見えます。



旧駅の西側に沿って並ぶ鉄道林。




駅の西側を大回りして南側(羅州駅寄り)に回ってみました。羅州駅側から眺めた旧老安駅場内。



旧老安駅南方の鉄橋跡



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